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2016年5月31日火曜日

【映画紹介 『ロイヤルナイト』】

©GNO Productions Limited

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

A ROYAL NIGHT OUT

配給:ギャガGAGA★
カラー:97分
監督:ジュリアン・ジャロルド
出演:サラ・ガドン(エリザベス王女)
ベル・パウリー(マーガレット王女)
エミリー・ワトソン(王妃エリザベス)
ルパート・エヴェレット(国王ジョージ6世)、他
2015年/イギリス映画

 1945年5月8日、ドイツは無条件降伏。この「VE-Day」に沸 き立つ夜のロンドンに、エリザベス王女とマーガレット王女(いずれも肩書きは当時)が“お忍び”で繰り出した――

 この史実を耳にしたことのある読者諸兄も多いと思うが(アメリカ軍の下士官にナンパされたらしい)、この『ローマの休日』の元ネタになったといわれる“王女の一夜の冒険”をタップリと膨らませてドラマチックに仕上げたのが、本作。

 様々な人達が次々と登場して出会いとハプニングを巻きおこす娯楽作品となっている。

 ちなみに評者のお気にいりキャラは、気のいい王室崇拝者である娼館のオーナーである(あの後、どうなったんだろう?)

 6月4日、シネスイッチ他、全国順次ロードショー!

©GNO Productions Limited
©GNO Productions Limited

2016年5月30日月曜日

【いよいよ始まった“アルマータ”エフェクト】

 去年2015年の対独戦勝記念パレードでついに姿を見せた、ロシアの最新AFV「アルマータ」。
とくに、無人砲塔に125㎜砲を搭載するアルマータT-14は、世界を驚愕させた。

 そしてこの、約30年ぶりの新型戦車に対する“反応”がラインメタル社で始まった。

 同社はすでに、新型130㎜滑腔砲を搭載する戦車砲塔システム(同軸機銃はガトリング型式)の開発に着手しているというのだ。

 これはいよいよ、改修型ではない、新型戦車開発レースの始まりか!?

2016年5月25日水曜日

【いったい!どうして??】

 6月24日(※1)昼すぎ、陸上自衛隊然別演習場で23日に起きたという実弾発射事件報道に接した時の弊誌編集部の感想は、
「実弾を射ったんじゃなくて、空包アダプターがスッ飛んで、それで怪我したんじゃないの」
だった。

 それが24日夜の報道では空包を用いる訓練で、本当に実弾を、それも90発(※2)以上も射っていたというからまさに唖然呆然愕然!
 だって、そんなことが起きるには

①倉庫から空包と間違えて実弾を搬出し

②射手が空包と間違えて実弾を受け取り

③そして、空包と間違えて実弾をマガジンに装填する

という二重三重のエラーを犯していたことになる。

 とくに「③」で、実弾と空包を間違えるなんてアリエナイ(実際にあったわけですが)。

 それに、自動装填式銃の空包射撃でもボルト等の前後動による“反動”はあっても、実体弾射出による反動とはまったく異なる。それに気づかなかったと言うのが、これまた不可解…。
 いっそのこと、部隊全体によるサボタージュだった、と言うほうが納得できる……。


※1訂正:正しくは5月24日でした。失礼いたしました。
※2訂正:正しくは79発でした。失礼いたしました。
申し訳ありませんでした。慌てて書くと失敗してしまいますね…。

2016年5月11日水曜日

【書籍紹介 『ドイツ軍事史』『軍事大国ロシア』】

『ドイツ軍事史―その虚像と実像―
大木毅著
作品社刊
2,800円+税

 参謀本部の創設、第一次/第二次世界大戦での戦いぶり~とくに電撃戦~により神話の域に達した感もあるドイツ軍。
 
 本書は、ドイツ学術交流会奨学生としてボン大学に留学後は防衛研究所講師も務めた筆者が、戦後七〇年を経て機密解除された文書やドイツ連邦軍事文書館、当事者の私文書等貴重な一次資料からプロイセン・ドイツの外交、戦略、作戦、戦術の実態を検証して“神話のベール”を剥いでいく力作であり、しかも各々のテーマごとに簡潔にまとめられているので読みやすい。バルバロッサ作戦やツィタデレ作戦をはじめ第二次世界大戦関連が多いが、シュリーフェン・プランやワーテルロー戦役等々も取り上げられている。
 
一読して、敗国の将官(おそらく勝国の将官も)の証言には意識無意識の作為が入るものであり、本人の手によるものであっても、一人(あるいは少数)の手記のみを頼ることの危うさを再認識した。また箸休め的に挿入されている「戦史こぼれ話」も優れて興味深く(とくに休暇システムや“回想録に書かれていない本人の行動”など)、続刊が望まれる。




『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理
小泉悠著
作品社刊
2,800円+税

 この数年、世界情勢においてロシアが急速に存在感を高めている。とくにウクライナやシリアへの軍事介入を行なったことは世界の耳目を集め、懸念を呼んでもいる。

 本書は「新たな世界戦略と行動原理」という副題の通り、近年のロシアの情勢認識やこれに対する新たな軍事戦略などを膨大なロシア語資料から丹念にまとめ、分析した一冊である。
 
 なかでも、ウクライナ紛争で注目を集めたロシアのハイブリッド戦略やそれを支える核戦略や情報戦略についての分析はこれまでにないもので、現代のロシアを軍事面から読み解くうえで必読の書と言えよう。近年の軍改革の成果や、社会・政治面から見た軍事国家としてのロシア、普段は注目されることの少ない準軍事部隊、軍需産業と武器輸出といった側面にも光が当てられている。
 
 巻末には「軍事ドクトリン」と「国家安全保障戦略」の翻訳が全文掲載されており、資料的価値も高い。筆者は小誌でもロシアの軍事問題について論考を発表している小泉悠氏である。四六四ページという大著だが、小泉氏の撮影も含む写真や図表、コラムも豊富に挿入されている。