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2017年5月9日火曜日

【毒にも薬にもならない安倍総理の改憲論】

安倍総理は、2020年の東京オリンピックの年までに合わせて憲法を改正し、新しい日本として外国の賓客を迎え入れようという強い意欲を見せているそうだ。オリンピックと憲法は何の関係もないので、2020年である必要はまったくない。むしろ今年中、一日も早く改正するのが望ましい。

肝心の内容について、どこをどう改正するかというと、9条に新たに3項を付け加え、自衛隊について明記するのだという。例によって右派は大賛成、左派は大反対という図式なのだが、双方とも意味を理解した上での反応とはとうてい思えない。

自衛隊が憲法に明記され、少なくとも憲法違反と言われることがなくなるというだけでは、あまりに子供だましというものだろう。明記されるだけなら毒にも薬にもならないので、右翼が泣いて喜ぶこともないし、左翼が心配して騒ぎ立てることもない。

9条改正にあたっての課題は、①自衛のための戦争ができること、②国際平和のための武力行使ができること、③自衛隊が警察ではなく軍隊であること、の以上三点が明確になることこそが重要なのであって、そのためには9条2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」という文言が削除されることが最低限必要だ。その上で、日本の軍隊としての自衛隊明記が加わるというのが筋なのである。

安倍総理は公明党の「加憲」に配慮したのかもしれないが、それでは全く無意味なのだ。朝まで生テレビのなかで田原総一郎氏が明言していたのだが、昨年の安保法案が成立した頃に総理に会ったとき「実はもう憲法改正する必要がなくなった」と言われたそうである(信じ難い話だが)。集団的自衛権が行使できるようになったからだというのだが、これなどもまさに本末転倒の些末な改正論と言えよう。個別的自衛権が全うできないことこそに現憲法の問題点があるということが理解できていないとしか思えない。

安倍総理(および自民党執行部)が一刻も早く、憲法学や議会制民主主義、及び軍事についての知識を持ち合わせた人物をブレーンとして迎え入れることを切に願うものである。

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