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別冊在庫、数点復活しました(2023/7/5更新)

下記の別冊につきまして、数部の在庫が復活しました。 書店注文、直接販売にて承ります。 ご注文前に在庫の有無をお問い合わせください。 最新状況はこちら  http://gunken.jp/blog/archives/gunken_bettsatu.php また、BASE店舗の利用を...

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2025年8月8日金曜日

【映画「TATAMI」に見るイスラエルとイランの根深い対立】

 

映画『TATAMI』は、イスラエルを国家として認めないイランの国策にあらがう実話ベース(2019年の日本武道館での世界柔道選手権)の力作です。(写真は劇場チラシより)

2025年6月20日金曜日

【CIAのイラン核施設破壊工作:映画『カンダハル-突破せよ-』】

『カンダハル』劇場販売パンフレットより

  アメリカによるイラン攻撃が報じられています。

 映画『カンダハル-突破せよ-』(2022年)は、2010年代のイラン~アフガニスタンを舞台にMI6からCIAに出向してイランの核施設破壊任務を遂行する男(ジェラルド・バトラー)が主役。地下核施設破壊はあっさりとミッション・コンプリート、だがそしてしかし!てな展開でISI/パキスタン軍統合情報部、タリバーン、アル・カイダ、IS、コッズ部隊との三つ巴、四つ巴のサバイバルアクションの快作です。

 それはさておき、今後も『軍事研究』は中東情勢をを独自に分析していきます。

※写真は劇場販売パンフレットより

2024年7月12日金曜日

【いろいろ濃い! 中国映画『ボーン・トゥ・フライ』】

『ボーン・トゥ・フライ』劇場販売パンフレット

 “チャイニーズ・ステルス”J-20がド~ンと入ったポスターに惹かれて映画館に足を運んだ『ボーン・トゥ・フライ』。

 中国国産次世代戦闘機のエンジン開発に挑むテストパイロットたち!という『ライトスタッフ』(1983年)とOAV『マクロスプラス』(1994~95年)を混ぜたようなストーリーで、J-20は一瞬しか登場しませんでした。

 CGで描かれる空中シーンは派手だけど迫力に欠けるのは残念。でも中国政権の世界観がよく分かるという意味で興味深い作品。「中国の原子爆弾の意義はなんだ? 我々が作ったことだ」など、オッペンハイマーも裸足で逃げ出すような熱いセリフが盛り盛りです。

 次世代戦闘機については弊誌別冊『第六世代戦闘機とは何者か』、中国製エンジンについては並木書房さんの『中国の航空エンジン開発史〈榊純一著〉』を是非!

並木書房ウェブサイト

“大映ドラマ”みたいなノリが微笑ましい作品でした。でも物語の舞台となる空軍試験場があるのがどうもウィグルらしく、漢民族に併呑され消滅しつつあるウィグル文化を思うと陰欝な気分にもなりました。





2024年7月2日火曜日

【『クワイエット・プレイス:DAY 1』と軍事作戦】

©2024 PARAMOUNT PICTURES

 第二次世界大戦末期におけるライン河のルーデンドルフ鉄道橋、朝鮮戦争勃発時における漢江の漢江大橋etc…。

防御戦での橋爆破のタイミングの難しさがここでも!


クワイエット・プレイス:DAY 1
6月28日(金)全国公開
配給:東和ピクチャーズ
©2024 PARAMOUNT PICTURES


2024年6月28日金曜日

【映画『クワイエット・プレイス DAY1』観てきました!】

今回、東和ピクチャーズから試写会に招待されて観てきました。

 例の“何か”は素手でМ1エイブラムス戦車のサイドスカート(厚さ約5ミリの防弾鋼板)を引き千切ってしまうようだ。そりゃ、敵わないわな……。

#クワイエット・プレイス:DAY1
#音を立てたら即即死



2024年6月7日金曜日

【DVD 戦争アクション『アンブッシュ』】

(C)2021 Image Nation Abu Dhabi FZ LLC All rights reserved

 いまなお続いているイエメン内戦を舞台にしたミリタリーアクション映画『アンブッシュ』のBlu-ray&DVDコンポが6月5日に発売された(5720円〈税込〉)。レンタルも有り。

実は本作、アラブ首長国連邦(UAE)とフランス合作 の、UAE軍が主役の映画なのだ。

『アンブッシュ』

監督:ピエール・モレル/111分/特典:吹替版、メイキング映像、予告/クロックワークス=ハピネットよりリリース/2021年アラブ首長国連邦・フランス合作

(C)2021 Image Nation Abu Dhabi FZ LLC All rights reserved

 状況設定とキャラクター紹介を済ませたあとはバトル&バトルの連続というUAE版『ブラックホーク・ダウン』で、なにより多層的な待ち伏せ(アンブッシュ)攻撃戦術、そして対待ち伏せ戦術が巧みに描写されているのが、ポイント。

 UAE軍に待ち伏せ攻撃を仕掛けるのは、イエメンのフーシ派。そう、イスラエル・ハマス戦争に“介入”し、ミサイルや無人機攻撃さらには日本船籍の貨物船をシージャックしたりしているフーシ派という、まさに中東の今が題材になっているのだ。

 本作はいわばUAE軍の広報的映画でもあるので、サウジアラビア軍とUAE軍による付随的被害おかまいなしの無差別砲爆撃の描写などは、ない(その現実は『軍研』バックナンバー関連記事を御参照ください)。それでも観ておくべき、観て楽しめる(と言っては語弊がありますが)ミリタリーアクションとなっている。

 スラットアーマー付きMRAPが出る、RPG7が射つ、地雷が爆発する、迫撃砲は80ミリ級と120ミリの両方が出る、UAV「シーカー」が飛ぶ、AH-64Dアパッチ・ロングボウ が近接支援する、おまけにF-16E/F「デザートファルコン」も出るというサービス振り。それにしても、最新式のヘルメットと防弾衣システムを着てRWS付き車両に乗り込むUAE兵士って、陸上自衛隊よりも装備が充実してるんじゃ……。


(C)2021 Image Nation Abu Dhabi FZ LLC All rights reserved

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2023年11月2日木曜日

【子供を学校に送るだけなのに。 映画『バッド・デイ・ドライブ』 主演:リーアム・ニーソン】

 

©2022 STUDIOCANALSAS - TF1 FILMS PRODUCTION SAS, ALL RIGHTS RESERVED.

『バッド・デイ・ドライブ』

原題:Retribution
2023年/91分/イギリス


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 いつものベルリンの朝。金融ビジネスマンのマットも、子供たちを学校に送るため新車を走らせていた。すると着信があり、声の主は「その車に爆弾を仕掛けた――」

©2022 STUDIOCANALSAS - TF1 FILMS PRODUCTION SAS, ALL RIGHTS RESERVED.
©2022 STUDIOCANALSAS - TF1 FILMS PRODUCTION SAS, ALL RIGHTS RESERVED.

「――車から降りてはいけない。通報してもいけない。これから伝える指示に従わねばその車を爆破する」!

©2022 STUDIOCANALSAS - TF1 FILMS PRODUCTION SAS, ALL RIGHTS RESERVED.

 犯人を突き止め、爆破を阻止し、家庭崩壊の危機を救う!! これぞエンタメ! ドラマがリアルタイムで進行する怒涛の91分を劇場で直面すべし。

©2022 STUDIOCANALSAS - TF1 FILMS PRODUCTION SAS, ALL RIGHTS RESERVED.

配給:キノフィルムズ
12月1日(金) 新宿ピカデリー他全国公開

映画『バッド・デイ・ドライブ』公式サイト https://bdd-movie.jp/






2023年7月5日水曜日

【都市ガスは軽い-新橋ガス爆発】

 

『ロープ』劇場公開時のチラシ

 諸兄姉御存じの通り、「都市ガス」は空気より軽いので上方に、「プロパンガス」は空気より重いので下方に溜まります。

 ボスニア・ヘルツェゴビア紛争停戦直後を舞台にした映画『ロープ』(2015年)では、台所のガスを開けっ放しにしてテーブル上に火を放ち、ガス爆発で民家を破壊するという破壊活動が紹介されてます。

 これは実際に行なわれていたことで、SFORに従軍取材した時、「ここの家々は軽いガスだから屋根が吹き飛んでる」「ここの家々は重いガスだから下部から壊れている」と将校から解説され、何とも言えない気分になったことがあります。

 映画では天井と屋根が破壊されているので「軽いガス」ですね。


2023年3月15日水曜日

【映画『ハンサン -龍の出現-〈配給:ツイン〉】

©2022 LOTTE ENTERTAINMENT & BIGSTONE PICTURES CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 文禄・慶長の役における閑山島海戦を、いかにも韓国映画らしいモリモリマシマシで描いたバトルアクション大作が、3月17日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショーです。

https://hansan-movie.com/

2023年3月10日金曜日

【映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観て、】

パンフを買う時に長過ぎるので「“エブエブ”のパンフください」と言ったら、「“エブエブ”のパンフ、おひとつですね?」と返ってきた。「エブエブ」が公式らしい。




2023年2月1日水曜日

【ボスは刑務所のなかにいる。映画『ブラッド・スローン』】

『ブラッド・スローン』

2017年製作/121分/PG12/アメリカ

  フィリピンの入管収容所から“闇バイト強盗”が指示されているのがニュースになってますが、アメリカでは囚人が刑務所を牛耳ってる実態がベースになってる『ブラッド・スローン』(原題 『Shot Caller』=司令役/ボス)。なにしろ刑務所内 は“野獣の王国”で、看守はメッセンジャーに堕しているという…。

 交通事故の過失致死罪で入所した良き家庭人だった男が、妻と息子を守るため決心した究極の選択とは――というハードボイルドな作品なのだ。

2023年1月20日金曜日

【映画『ヒトラーのための虐殺会議』】

 

©2021 Constantin Television GmbH,ZDF

『ヒトラーのための虐殺会議』

『Die Wannseekonferenz』

112分/クロックワークス 配給
1月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマント ラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開中!


「ヴァンゼー会議」を完璧に再現。


©2021 Constantin Television GmbH,ZDF

photo/Bundesarchiv

 RSHA長官ハイドリヒを演じたフィリップ・ホフマイヤーは、見た目は似てないけれど、異様なオーラと押し出しの強さは、まさにハイドリヒ!(会ったことはないんですが)

©2021 Constantin Television GmbH,ZDF

 ひたすら議事が続く映画ですが、出席者たちの最優先事項は「自分の権益が減らないこと」であって、ユダヤ人抹殺は組織的にも心理的にも規定事項なのが恐ろしい。

photo/Kremlin

 鑑賞後、『プーチンのための御前会議』を誰か制作してれないものか、とふと思いました。

2023年1月17日火曜日

【映画『ノースマン 導かれし復讐者』】

©2022 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVRVED.

『ノースマン 導かれし復讐者』

PG12/ユニバーサル映画/137分
配給:パルコ/1月20日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、渋谷シネクイントほか全国公開!

 大剣を振り回してのバトル、飛び散る血飛沫――9世紀の北欧を舞台に、父を殺され母を奪われた若者の復讐譚です!


©2022 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVRVED.

 異世界に行ったら(何故か)無双で無敵で、(自分に都合の)良い登場人物に囲まれて万事オーライ…なエンタメに食傷気味の方々には是非とも劇場に足を運んでいただきたい1本です。胸熱になること必至!

©2022 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVRVED.

 深く広い森の緑と大地、入念に再現された服装や道具類、流れるように映し出される重厚なバトル――史実とフィクションが絶妙の配分でブレンドされた、これぞエンタテインメント! ぜひスクリーンで堪能されたい!! 

2023年1月11日水曜日

【護衛艦「いなづま」事故と映画『イチケイのカラス』】

 このニュースで、過日に劇場で見た『イチケイのカラス』予告編を思い出しました。

 型破りの裁判官がイージス艦と貨物船の衝突事故の真相に迫る――というようなストーリーらしいのですが、〔国家権力の一翼を担う司法が〕「国家権力に挑む」「イージス艦の航海内容は全て国家機密」「史上最年少の防衛大臣」etcと目が点になってしまい、なんだか『皇帝のいない八月』(1978年)っぽい?

(あくまで劇場予告編を見たうえでの印象、感想です)

 ちなみにお目当ての映画は『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』で、面白かった~!

2022年11月9日水曜日

【名作『橋』がHDマスターで発売!】

 西ドイツ(当時)の傑作映画『橋』(1959年)が、高精細マスターで国内初Blue-ray発売、同時に長く廃盤状態だったDVDも発売された(10月28日)。

映画『橋』(1959)

 さすが高精細マスター、軍装や武器、建物の質感表現が素晴らしく、痛ましさ漂う戦闘シーンでは爆炎と土砂が生々しい迫力で、購入をお薦めしたい。


発売元:アイ・ヴィー・シー

価格:Blue-ray¥5,280(税込)/DVD¥4,180(税込)

2022年7月20日水曜日

【映画『アウシュヴィッツのチャンピオン』公開】


(C)Iron Films sp.zo.o,TVP S.A,Cavatina GW sp.zo.o,Hardkop sp.zo.o,Moovi sp.zo.o

『アウシュヴィッツのチャンピオン』

2022年7月22日(金)より全国順次公開
配給・宣伝:アンプラクド/2020年ポーランド映画/91分



 アウシュヴィッツの地獄を生き延びたポーランド人ボクサー、“テディ”ことタデウシュ・ピトロシュコスキの物語が劇場公開されます。

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“テディ”がアウシュヴィッツに送られたのは1940年。絶滅収容所になる前の強制労働収容所だった時期です。ナチスは、ポーランド団結の核になりうるアスリート達もアウシュヴィッツに放り込んでいたのです。

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 そこで“テディ”は、収容所の親衛隊の娯楽相手として痩せ衰えた姿でリングに立たされることになるわけです。その苛酷さ理不尽さは『勝利への脱出』(1981年)が幼稚園のお遊戯に見えるレベルのツラさです。


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 胸を打つのは、“テディ”本人の信念と執念はもちろん、彼を支えようとする多くの収容者の姿です。それにしても、特別扱いだったとはいえ、アウシュヴィッツを生き延びて戦後も活躍するなんて、スゲェ人がいたものだ、と。

2022年7月12日火曜日

【映画『炎のデス・ポリス』公開】

(C) CS MovieⅡLLC.All Rights Reserve

『炎のデス・ポリス』

7月15日(金)よりTOHO シネマズ 日比谷他にて全国公開
配給:キノフィルムズ/2021年アメリカ映画/107分


 思いっきり“振り切った感”のある邦題ですが、原題は『COPSHOP』(警察署)。ジョー・カーナハン監督らしい、なかなかに小気味良いアクション映画なのデス。ちなみにPG12デス。
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 砂漠地帯にポツンと建つ警察署に暴力沙汰を起こした男が連行されてくる。マフィアに追われている男(詐欺師)は避難場所としてわざと逮捕されたのだ。ところが、凄腕殺し屋も泥酔男に成り済まして連行されてきたからさぁ大変。

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 ルーガー・スーパーブラックホーク・ニューモデルを腰にブチ込んだ新人警官ヴァレリーの活躍で命拾いも束の間、今度はPPKとマイクロ・ウジ(レイルとストック付き)を巧みに操るサイコな殺し屋も乱入、警察署は戦場と化す! 朝を迎えられるのは誰だ!?

(C) CS MovieⅡLLC.All Rights Reserve

 スーパーブラックホークの再装填でシリンダーごと交換してしまうヴァレリーなど、登場するすべての銃の“キャラ”が立っているし、イントロで流れる楽曲も70年代風で楽しい、観ると得した気分になれる1本デス。


2022年5月21日土曜日

【今度はロシア人、映画『ロシアン・ロルジャー 戦場に消えた18歳の少女兵士』】

 DVDが発売中のこの映画は、独ソ戦緒戦期にパルチザン活動に身を投じ、ドイツ軍に処刑されたゾーヤ・コスモデミヤンスカヤを英雄的に描いたロシア映画です。

〈写真:Wikimedia/public domain〉

 彼女の活動は火炎瓶でソ連の村々を焼き払う、いわば焦土作戦です。彼女をフルボッコにしたのは、実は村を焼かれた村人だったという説もあるそうですが、そりゃそうだ。


 ゾーヤには女性初のソビエト連邦英雄の称号が授けられ、戦後には彼女の名を冠した道路や学校などが作られ、ウクライナの首都キーフなどにモニュメントも建てられました。

〈写真:Wikimedia/public domain〉


 そのキーフでは2022年、ウクライナの人々がモロトフ・カクテル/火炎瓶でロシア軍侵攻に抵抗したのは、読者諸兄姉御存じの通りです。

〈写真:VOA〉


 ナチス/ファシストと同じ侵略者と成り果てた母国ロシアを、ゾーヤはどう思っているのでしょうか…。

2022年5月10日火曜日

【映画『オードリー・ヘプバーン』】

(C)Picture/The Hollywood Archive /Alamy Stock Photo

 5月6日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほかで全国公開の映画、『オードリー・ヘプバーン』(配給:STAR CHANNEL MOVIES)は、オードリーの実像に迫るドキュメンタリー映画です。

 このドキュメンタリー映画は、ファシズムに傾倒する父親との不和やレジスタンス活動など、知られざる彼女の実像に迫ります。TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほかで全国公開中。


2022年4月25日月曜日

【ウクライナ女性狙撃兵の実話映画:『ロシアン・スナイパー』】


『ロシアン・スナイパー』

原題『The Battle for Sevastopol』
2015年ロシア・ウクライナ合作
123分
¥5280(税込)
発売:ニューセレクト株式会社


 この作品は、独ソ戦(大祖国戦争)でドイツ兵309人を倒したウクライナ人女性狙撃兵、リュドミラ・パブリチェンコを主題とした映画です。


「ロシアン・スナイパー」は、あくまで邦題で~パブリチェンコはキーフ出身のウクライナ人なのですから~原題は『セバストポリのための戦い』です。


 クリミア半島のセバストポリ要塞攻防戦でパブリチェンコは重傷を負って第一線から引くことになります。その後は狙撃教官として、さらには対アメリカ外交使節一員として活動しました。

 
この映画は、2012年に製作が始まったウクライナとロシアの合作作品です。
 ところが! まさに配給/公開の2014年にプーチンのロシアが軍事侵攻、クリミアを占領します。


 今年2022年にロシアはウクライナ全土を攻撃、暴虐のかぎりを尽くしているのは諸兄姉御存じの通り。この映画は、今日では製作そのものが“アリエナイ”作品なのです。


「私は25歳ですが、309人のファシストを殺しています。アメリカの紳士の皆さん、私の後ろに隠れるのはそろそろやめる頃ではありませんか?」。


 これは外交使節一員として訪米した1942年10月、シカゴでパブリチェンコが“かました”スピーチです。


 2022年4月の今現在でも、まんまそのままウクライナ 将兵がアメリカでスピーチしそうな内容なのが、なんともはや。もちろん「ファシスト」=「プーチン政権」です。

 この映画、シカゴの中国人が人民服姿だったりしちゃってますが、パブリチェンコがエレノア・ルーズベルト大統領夫人と親交を結んだのは本当です。

 戦後の1957年に訪ソしたエレノアと再会したのも本当です(KGBの監視付きでしたが)。ただラストの、一緒にオペラを観劇するのはフィクション。

 でもそのオペラが、射撃が上手いだけの普通の少女だった時代に一度だけ男友達と観た『ラ・トラヴィアータ(道を踏み外した女)』(邦題『椿姫』)というのが、泣けます。