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2015年12月1日火曜日

【映画紹介 『サクラメント 死の楽園』】

©2013 SLOW BURN PRODUNTIONS LLC

サクラメント 死の楽園

The Sacrament

配給:東京テアトル、日活
カラー:100分
監督・脚本:タイ・ウェスト
製作:イーライ・ロス
出演:AJ・ボードウィン、ケンタッカー・オードリー、エイミー・サイメッツ、ジーン・ジョーンズほか
2013年/アメリカ映画

――連絡が途絶えていた妹から奇妙な手紙を受け取ったパトリック(ケンタッカー・オードリー)は、マルチメディア・カンパニーVICE社のスタッフとともに、ある共同体への取材に赴く。
 その「エデン教区」では皆が幸せそうに暮らしており、妹もここで豊かな生活ができるのは“ファーザー(ジーン・ジョーンズ)”のおかげだと話す。だが取材を続けるうちに、この“楽園”の恐怖の暗部が見えてくる――

©2013 SLOW BURN PRODUNTIONS LLC

 1978年に南米ガイアナで起きた「人民寺院事件」をベースにした映画。「私たちはとても幸せ!」と唱えて歌い踊る共同体が、実は恐怖で支配されたカルト集団であり、その真実が徐々に見えてくる展開は、まさにダークな恐怖そのもので、『FANGORIA』で「2014年ホラー映画10」入りしたのも納得だ。

 VICE社の取材という体裁で進行するので、いわゆるPOV(主観映像)映画となっている本作だが、900人以上が集団自殺し た「人民寺院事件」の経緯こそ、POV映画の構造となっている~なってしまった~事件ではないか。

 人民寺院を視察したアメリカ下院議員や信者家族そしてTV記者が、帰国希望者を連れて飛行場から軽飛行機で離陸する直前、教団幹部達に銃撃されて死亡する。その瞬間を収録した記者のムービーカメラは教団幹部に奪われるが、集団自殺の後に捜査当局によって発見され公表される……。まさにPOV映画そのもの!

©2013 SLOW BURN PRODUNTIONS LLC
 
 この事件が報道された時、評者は中学生。緑の薮(?)を背景に近付いてきた農業用トラクター(?)から銃煙と銃声が上がり、「あいつら射ってきた!!」という声と共に、大きくブレたカメラ画面が倒れて動かなくなるという生々しい映像にビックリした憶えがある。

 この『サクラメント 死の楽園』を観ていて、報道に接した時の衝撃、そして、後に公表された集団自殺の際の音声を聞いた時の腰がだるくなるような恐怖が蘇ってしまった。

 規模や主張内容こそ異なるが、こうしたカルトは今の日本にも存在し、犠牲者を生み、被害を出し続けている。「人民寺院事件」を知ってる人も知らない人も、ぜひ劇場で観て欲しい。

 1128日(土曜日)より、角川シネマ新宿レイトショーほか公開中!

©2013 SLOW BURN PRODUNTIONS LLC





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