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2022年4月22日金曜日

【避難回廊での虐殺を描いたウクライナの戦争映画『ウクライナ・クライシス』】

(C)Ronk Film Production LLC,2019

(C)Ronk Film Production LLC,2019

ウクライナ・クライシス

原題『BESHOOT』
2019年ウクライナ映画
120分/シネスコ
税抜価格:¥4800
発売:ニューセレクト株式会社
(C)Ronk Film Production LLC,2019

 2014年からず~っと続いているロシア・ウクライナ戦争。この映画は、その緒戦期である2014年8月に起きたイロヴァイスクの戦いの顛末を描いたものです。
親ロシア派武装勢力(裏にはロシア軍)に占領されたウクライナ東部の都市イロヴァイスク奪還のため、ウクライナ義勇兵部隊「ドンバス大隊」らが町に突入します。

(C)Ronk Film Production LLC,2019

 でも多勢に無勢…というか装備不足&練度不足で、主人公のビシュート(原題)らウクライナ義勇兵部隊はあれよあれよと劣勢となり、親ロシア派武装勢力とロシア軍に包囲されてしまいます。

(C)Ronk Film Production LLC,2019

 交渉の結果、数日後に停戦合意。

 主人公らは非戦闘地域に設けられた「人道回廊」と呼ばれる避難経路で撤退することになりました。資料によると、この人道回廊についてはプーチン大統領も声明していたとのこと。

(C)Ronk Film Production LLC,2019

 ところがところが。

 ロシア軍は停戦合意を反古にして、撤退中のウクライナ軍を銃砲撃、ウクライナ軍&義勇兵部隊は300名以上と言われる戦死者を出して壊滅します。

「本当はどうだったんだろう?」と調べてみたら~もちろん映像作品としての脚色はありますが~ほぼ、映画の通りだったのでビックリしました。ウクライナ政府はこれを「虐殺」と呼んでいますが、そりゃそうでしょう。

(C)Ronk Film Production LLC,2019

  今年2月以降、ロシアが民間人避難のための「避難/人道回廊」設定を提唱した時、ウクライナ政府は否定的な態度でした。もちろん、「ロシアは前回がそうだったから、今回もそうだ」とは言い切れません。

 でも日本のメディアでの「(人道的に)一歩前進だ」「ウクライナ政府は早くプーチンの提案を受け入れるべきだ」的な反応を見るにつけ、「日本は平和ボケ」と言うより、「ただ単にモノを知らないだけじゃないか?」と~今回も~思ったものです。

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