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2015年11月18日水曜日

【映画紹介 『グリーン・インフェルノ』】

(c)2013 Worldview Entertainment Capital LLC & Dragonfly EntertainmentInc.

グリーン・インフェルノ

THE GREEN INFERNO

配給:ポニーキャニオン
カラー:101分
監督:イーライ・ロス
出演:ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レビ、アーロン・バーンズ、他
2013年/アメリカ・チリ合作(R-18+)

――ジャスティン(ロレンツァ・イッツォ)は過激な環境保護活動をしている大学生のグループに参加、アマゾンの森林伐採の不正を暴くために現地に向かう。地下資源のためにペルーにあるジャングルが破壊され、住んでいるヤハ族が危機に瀕しているというのだ。
 スマホとネットを使い、伐採の実態と自分達の活動のアピールに成功した彼ら彼女らだったが、軽飛行機が故障しジャングルのド真ん中に墜落してしまう。そこは件のヤハ族のテリトリーで、しかもヤハ族は食人族だったのだ! 捕らえられた学生グループは一人、また一人と喰われていく――

 かつて“暗黒世界モノ”とでも言える、いかがわしさ漂う映画ジャンルがあった。廃れて久しいそんな食人族映画を、才人イーライ・ロス(『イングロリアス・バスターズ』で楽しそうにドイツ兵の頭をバットでカチ割ってた人)が21世紀に復活させた。

 目に染みいるような緑が美しいジャングルで繰り広げられる食人儀式は凄惨ながらどこか牧歌的で、残酷さサディズムさは感じられない。そう、ヤハ族にとって食人は文化なのだ。

 一方、学生グループの独善的なロジック、とくに現実(ヤハ族の食人習慣)に直面してからのリーダー(アリエル・レビ)のゲスい行動は醜悪そのもので、監督の目線はネットやソーシャルメディアに蔓延る傲慢さや偽善に向けられているとも言えよう。まったく「反戦」だの「人権」だの「環境」だので活動している方々の実態ときたら……。とまぁこのように、単なるスプラッタではない、世相を切り取った意欲作でもあるのだ。

 それにしても。“獲物”の解体では、まず臓物の処理をすべきじゃないんでしょうか、ヤハ族の皆さん?

 11月28日(土曜日)より、新宿武蔵野館ほか全国公開!

(c)2013 Worldview Entertainment Capital LLC & Dragonfly EntertainmentInc.
(c)2013 Worldview Entertainment Capital LLC & Dragonfly EntertainmentInc.

2015年10月30日金曜日

【映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算』】

 ドイツ映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算(原題:Elser)』を日比谷にて鑑賞。

 小さな共同体が、ジワジワとナチスに侵食されていくシークエンスでは、ライザ・ミネリ主演の『キャバレー』(72年)を思い出しました。

 この作品、劇場で販売しているパンフレット(プログラム)に載っているいくつかの文章(コラム)が、なかなか興味深い。

 例えば。
「~そして思う。ある部分が当時のドイツの空気と似ていなくもない今日の日本に暮らす私たちは、この物語を遠い他国の昔の話だと言ってはいられない」

 そう、その通り。
 国会の採決を力づくで阻止しようとしたり、自分の意にそぐわない人物(派)にレッテルを張ってバッシングに狂奔したり、自分達だけが“国民の代表”の絶対正義だと狂弁する、市民団体や議員はまさにナチス的であって、そのことを言いたかったんですよね!

 字幕について。
「次のテロに紛れてエルザーを処刑、云々」とあるけれど、この「テロ」とは「無差別都市爆撃」のこと。
 軍事施設でもない、民間人居住区を住民ごと焼き払う英米(とくにイギリス)の戦略爆撃をナチス・ドイツは「テロ爆撃」と呼んでいたのだ。
 またイギリスや中立国の新聞が「テロ爆撃」と報じることも多かった。
『軍研』読者諸兄なら理解できようが、一般観客のためには「次の(都市)爆撃」とするべきだったと思う。

 それにしても。精緻なメカニズムと計画をもってヒトラー暗殺を図ったゲオルグ・エルザーって、やっぱりドイツ人的だ。



映画 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』公式サイト

2015年10月14日水曜日

【2015年ノーベル文学賞】

ノーベル文学賞2015をベラルーシのスヴェトラーナ・アルクシエーヴィチが受賞したことに、驚きつつも大納得。
 だって、独ソ戦に従軍したソ連軍女性兵士のドキュメント『戦争は女の顔をしていない』(群像社刊)は本当に面白いんだから! 村上春樹の150倍は面白い!! お薦めの1冊です。

2015年10月9日金曜日

【映画紹介 『ドローン・オブ・ウォー』】

©CLEAR SKIES NEVADA,LLC ALL RIGHTS RESERVED.

ドローン・オブ・ウォー

GOOD KILL

配給:ブロードメディア・スタジオ カラー:104分 監督・脚本・製作:アンドリュー・ニコル 出演:イーサン・ホーク、ブルース・グリーンウッド、他 2014年/アメリカ映画 --F-16を駆って200回以上も出撃してきたイーガン少佐の現在の任務は、MQ-9リーパーUAVの遠隔操縦。ラスベガスの空軍基地に設置されたコンテナの中で、1万㎞離れた異国での監視・攻撃を遂行しているのだ。家庭とコンテナ内を往復、モニター越しに標的を爆撃して散乱した遺体を確認、あるいはアメリカ兵が死傷するのを見続ける毎日は、少しずつ彼の精神を蝕んでいく--
10月1日から公開開始のこの映画、読者諸兄も“全共闘臭”漂うコメントを載せた広告や宣伝を目にしているかもしれない。

だがそんなものに迷わされることなく、淡々としたシーンとエモーションの積み重ねが身に浸み込むような緊張を呼ぶ、この戦争映画の秀作をぜひ劇場に足を運んで鑑賞して欲しい。
UAVの戦争を正面から描いた本作だが、実は最前線を目のあたりにして戦争の現実を認識するという、案外と古典的な戦争映画でもある。また一見“良識派”っぽい上官のジョンズ中佐だが、精神的に壊れる部下が出てくるのを承知で命令を下し、そしてルーティンワークのように新人コントローラーに訓示するその姿は地上戦で突撃を命じる将校と同じであり、新しくなったようでいて、実は軍隊と戦争は変わっていないのだ。

ラスト間際のイーガン少佐の行為は、映画的にはちょっとしたカタルシス。だがこれは私刑であり、これこそが“殺人”ではなかろうか? とまれ、いろいろ考えさせられる映画である。必見。


 TOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ梅田ほかにて全国ロードショー中!
©CLEAR SKIES NEVADA,LLC ALL RIGHTS RESERVED.
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2015年9月9日水曜日

お詫びとお知らせ(2015年10月号)

いつも「軍事研究」をご愛読くださり、誠にありがとうございます。

台風18号の影響により、2015年10月号の配送に1~2日程度の遅れが生じるおそれがあります。

定期購読の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、

何卒ご理解くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

2015年7月14日火曜日

【映画紹介 『ルンタ』】

©Ren Universe 2015


ルンタ

Lung Ta

蓮ユニバース配給
カラー/DCP/111分/16:9/5.1ch
監督:池谷薫
キャスト:中島一博
製作:権洋子
日本語・チベット語
2015年、日本映画

 1949年以来、中国占領下にあるチベットでは近年、中国の圧政に対し自らに火を放ち抵抗を示す“焼身抗議”が続いている(140人以上)。だがしかし、この事実は日本ではまったくと言っていいほど報道されていない。
 この映画は、チベット人を支援し“焼身抗議”をブログで発信し続ける中島一博氏を現地水先案内人に、チベットの現状そしてチベット人の精神を辿る、懸命のドキュメンタリーである。彼らのユニークな気高さは、素直に胸を打つ。
 けれども“非暴力の戦い”が中国の物理的な暴力に圧殺されつつあるのも、事実。人権や反戦に敏感な人達こそ、この映画を見るべきではないか。「9条」では平和と尊厳は守れないという真実が、ここにある。
 ちなみに「ルンタ」とはチベット語で“風の馬”の意味。
 七月一八日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開、以降、全国順次ロードショー。

なお、各地の劇場情報は下記よりご確認いただけます。
http://lung-ta.net/theater.html

2015年7月3日金曜日

【再確認された新幹線の“安全神話”】

 6月30日午前、走行中の東海道新幹線の車内で焼身自殺事件が起きた。
(身勝手な自殺に巻き込まれた方々は本当に気の毒としか言いようがない)

「こういう事件が起きるとマスコミは、安全神話が云々と、言い出すんだろうなぁ」と思っていたら、やっぱりそうだった。
 曰く「新幹線安全神話の死角」、あるいは「新幹線安全神話の崩壊」…。
「“安全神話”って何? 誰が言いだしたの?」ということは、さておき、この事件は新幹線システムの優秀さを改めて証明したと言えるだろう。
 車内でガソリンを使った(一種の)放火が行なわれた車両が、2時間半後には自走して最寄り駅に向かい、しかも東海道新幹線も上下線で運転を再開しているのだから。
「やっぱ新幹線って良く出来てるわ」、これが正直な感想だ。そんじょそこらの(?)鉄道システムならこうはいかない。
 また車内で起きた焼身自殺に対処した(燃える人間を消火・救命)乗務員らも ~100点満点とは言えないだろうが~ 見事だった。やはり訓練と高いモラルは重要なのだ。

 テンプレ記事を垂れ流すマスコミも見習っては如何か。