あおり運転などの危険運転を繰り返す、所謂「ロードレイジ」が社会問題化されているが、そのニュースを報じるテレビ局が、同じ番組の中でAmazonにおいて配信される「戦闘車」という番組のCMを垂れ流しているのには驚きを禁じ得ない。
同番組は、お笑いタレント達が両軍に分かれて、乗用車をぶつけ合って戦うゲーム番組らしいが、この趣旨はロードレイジの心理と通底するのみならず、それを助長するものであると見て間違いない。いまこの時期に、斯様な番組を放映する企業の意図は奈辺にあるのか。
本来「戦闘車」とは現代の地上戦闘で使用される、歩兵の乗車する戦闘車両のことであり、愚か者のエンターテイメント番組が「戦闘車」という名称を使用することは、著しく偏見と誤解を撒き散らすことに繋がり、愚者の拡大再生産に繋がるのではないかと危惧せざるを得ない。
戦争とは、個別に見ての善悪はさておき、己の属する共同体の平和・安全・正義を実現するための行為であって、ストレス発散という下卑た己の欲望のためにする行為ではない。
須らくマスコミは国民に正しい知識を広めるべきものであり、愚民化を推し進めるテレビは恥を知るべきである。と、ここまで読んで、「また、日本社会特有の自主規制が始まった」と思った諸氏があるかもしれないが、全く違う。R○○のように視聴制限をかけることでは諸外国のほうが日本よりもはるかに上である。
しかるにロードレイジは20代~60代であり、年齢で区切ることができない。何歳になってもバカはバカなのであるから、危険運転を助長させる番組はたとえ会員制であっても放映すべきではなかろう。
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