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2017年11月30日木曜日

【北朝鮮、新型ICBM「火星15」発射】

 ご存じの通り、2017年11月29日早朝、北朝鮮がICBMを発射。そして射高4000km以上という過去最高の性能を示した。
 北朝鮮の発表によると「アメリカ本土全域を攻撃できる『火星15』」なのだという。

 12月8日発売の「軍事研究2018年1月号」では、黒井文太郎氏が北朝鮮のこの2か月の動静を整理しつつ、北朝鮮情勢の“指針”を示している必見の記事です。ぜひ、ご覧ください。

2017年11月29日水曜日

【危ぶまれる国産戦闘機開発】

 本日未明、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を行った。度重なる弾道ミサイル発射実験の意図は弊誌2018年1月号(12月8日発売)でも取り上げているので、是非ご覧ください。

 それ以上に気になるのが、北朝鮮の弾道ミサイル対策を重視するあまり、尖閣諸島をはじめ東シナ海や南シナ海で活動を活発化させている中国への対策が疎かになることだ。しかも来年度は次期中期防を策定する年である。
 
 このような状況の下で、11月のトランプ米大統領来日時の日米首脳の共同記者会見において、安倍首相は、F-35Aやイージス艦の量・質を拡充していくための装備を米国からさらに購入する考えを表明した。
 
 さらにロイター通信は11月13日、「防衛省が次期戦闘機の開発決定先送りを検討しており、同省関係者によると、次期中期防に具体的な事業として盛り込まない公算が大きい」旨を報じた。しかも11月13日と言えば、防衛装備庁が毎年開催している「技術シンポジウム」の前日であり、今年の目玉が先進技術実証機(X-2)をはじめとする国産戦闘機関連の発表であったことを考えると、単なる偶然とは片づけられない意図を感じる(なお、X-2の最新状況に関しては、弊誌2017年12月号をご参照ください)。

 わが国にとって北朝鮮の弾道ミサイルが脅威であることは論を俟たないが、米国と協調することとがイコール、米国製装備品の大量輸入ではないはずだ。わが国の防衛産業がこれ以上、弱体化しないよう、国産戦闘機開発の初心を貫いて欲しいものだ。

2017年11月21日火曜日

【日本政府、武力攻撃やテロの避難施設専用ページを開設】

 11月21日のNHKによると、日本政府は弾道ミサイルによる攻撃等に備えたウエブサイトに避難施設(シェルター)を確認できる専用ページを新たに開設したとのこと。
 これは、都道府県が指定している9万1735か所の避難施設の場所や特徴を確認できるものらしいが、皮肉にも冷戦が終わって30年経った今、日本は核ミサイルの脅威にさらされているのだ。
(冷戦中の「核戦争論」は絵空事だったってこと?)

 ちなみに、12月8日発売予定の2018年1月号では斎木伸生氏の「戦跡紀行特別編:欧州シェルター見聞録」が掲載されます。
 岩山を刳り貫いて作った頑丈なシェルターの収容人員数は、ノルウェーで250万人、フィンランドで400万人!
 それらシェルターの“普段使い”が、また合理的でして…。

【Jアラート批判をする愚か者たち】

 11月15日のブログで、IT企業サイボウズの社長の話を取り上げたが、IT社長と言えばホリエモンこと堀江貴文が、この夏のJアラートについてTwitterで吠えまくって炎上させた出来事があったのは記憶に新しい。

 8月29日早朝には、「マジでこんなんで起こすなクソ」とツイートして炎上させたのに続き、9月15日早朝は「今回はたまたまシンガポールにいたからあのクソJアラートならなくてよかった。」「頭悪いな。上空飛んでるだけだろ。」「クソはクソ。」とJアラート批判を繰り広げた件である。

 政府にとって、北鮮のミサイル発射が単なる実験であり、万が一しか落下の危険性のないことも百も承知だったのである。
 
 それでも何故Jアラートを試したかというと、一つは万々が一の失敗による落下に備える為には、窓際から遠ざかるに如くは無いということ(リテラシーを欠く愚か者は、Jアラートが鳴っても逃げる場所がない等と、国民保護ポータルサイトを誤読してしまっていたが)。
 第二には、この手の巨大システムはトライ&エラーの試行錯誤で穴を埋めていくしかないという、鉄則を実施したまでだったということである。

 堀江と同様の意見表明をして失笑を買ったのは、元フジテレビ・アナウンサーの長谷川豊、都知事選でポンコツぶりを発揮した鳥越俊太郎、珍サヨク議員の有田芳生、お騒がせの元議員・上西小百合、報道ステーションの珍コメントでお馴染みの後藤健次、女装学者として有名な中富歩等々…ハッキリ言ってポンコツ揃いだ。

 炎上ビジネスの一種で注目を浴びたいだけなのだろうからと無視しようと決め込んでいたが、これら馬鹿どもの意見を鵜呑みにしてしまう、あまりにナイーブな若者が多い様なので、老婆心ながら注意喚起した次第である。それにしてもIT系の人々に限ってメディアリテラシーがないのは何故なのだろう。

2017年11月20日月曜日

【お薦めブックガイド:『イージス艦事典』】

イカロス出版より「イカロスMOOK」シリーズ最新刊『イージス艦事典』が発売(1800円+税)。

「基礎知識から、そのメカニズム 艦内外のディティールまで」と表紙にある通り、「イージス艦」のすべてが分かる1冊となっている。
 とくに、5か国7隻のイージス艦を、艦首から艦内を通って艦尾にいたるまで写真で紹介する「4章:イージス艦艦内ツアー」が面白い。

 また「イージス戦闘システムのバージョン」一覧は本当に便利で、ここだけの話、評者はこれを横に仕事しようかと考えているぐらいだ。
 というワケで購読をお薦めしたい。

【坂本龍馬が教科書から削除される理由】

 歴史教科書から「坂本龍馬」や「吉田松陰」、「大岡越前」、「武田信玄」、「上杉謙信」等々が削除されることになったとの報道がなされた。

 これについて、①これらの人物は歴史上さして重要ではないので削除されて当然、②しかし用語を削るという趣旨には大反対で、寧ろ従来のクイズ的出題を廃して完全持込みOKにすることこそ肝要、③そもそも上意下達で教科書を左右する学会の権威主義こそが問題であると、簡潔かつ過不足ないコメントをされた本郷和人・東大教授には、流石は日本史の第一人者と脱帽せざるを得ない。
 それに比べて、市井の歴史ファンや単なる予備校教師の論調が、如何にお粗末だったかという事実と鮮やかな対比を見せている。
 
 本来、本郷教授のコメントに些かも付け加えることはないのだが、現代日本国民の愚かさ(根拠のない自信過剰と、それとは正反対の平和ボケ、或いはナイーブな理想主義等々)が、日本近現代史についての誤解(というよりも180°の曲解)に由来していると思われるので、蛇足ながら少々付け加えておきたい。

 坂本龍馬は現在の視点から見ると、実像は単なる武器商人(本来の意味でいうところの「死の商人」)であり、ある時は西郷隆盛のパシリ、ある時はグラバーの小間使いであったことが判って来ている(しかも勝海舟の一番の弟子ですらなかった)。
 このような、とるに足らない人間をヒーローに押し上げたのは、第一には坂崎紫瀾が書いた自由民権運動プロパガンダ小説「汗血千里駒」、第二に昭憲皇太后の夢枕に立った(?)こと、第三に司馬遼太郎の書いた「竜馬がゆく」である。何れにしても完全フィクションによっていることに注目しなければならない。

 歴史を、小説やTVドラマの曲解から解放し、史実を直視することからでしかリアリズムを備えた判断力は生まれないと知るべきである。
※本郷和人教授のコメントの詳細については「けやきhill’s NEWS」で確認して貰いたい。

2017年11月15日水曜日

【夫婦別姓にしてはいけない理由】

 サイボウズという会社の青野社長という人が、夫婦別姓ができないのは「法の下の平等」を定めた憲法に違反するとして国を提訴するのだそうだ。もちろん人権は最大限尊重されるべきものである。ただし「公共の福祉に反しない限り」という条件付きなのは言うまでもない。

 実は「夫婦別姓」になれば、必然的に「家族別姓」になってしまうことの方が問題なのである。一つの家族を一つのファミリーネームで呼ぶこと(それで家族の連帯感が生まれ、引いては共同体の維持強化にも資する)は、まさに公共の福祉に適っているのではないだろうか。
 
 そもそも支那人と朝鮮人以外の民族は、同一家族は同一姓を名乗るという習俗を保ってきており、現在でもほぼ全ての文明国が原則夫婦同姓(家族同姓)を維持しているのだ。別姓ならば「アダムス・ファミリー」や「シンプソンズ」、はたまた「ローズ家の戦争」というタイトルも成立しなくなってしまうではないか。

 マスメディアでは、夫婦同姓なのは日本ぐらいのもので、諸外国の大半が別姓容認であるという説が流布されているが、真っ赤な嘘であり、所謂「選択的別姓」を基本としている国はスウェーデンだけであるという事実を知るべきであろう(疑問をお持ちの方々は各自調べてみましょう☞http://www.seisaku-center.net/node/266)。
 
 仕事に支障があるというならば、職場での現姓・旧姓の併記容認で事足りるのではないか。家族別姓になれば、家族という概念そのものが希薄になるということも重要だが、より実質的には、将来発生するかもしれない大災害や有事(や存立危機事態、重要影響事態…)等に際して名簿等を作る際にも、家族がバラバラの場所に記載されかねないという不便にも思いを巡らせて欲しいものである。

お詫びと訂正(2017年12月号)

『軍事研究』2017年12月号の写真ページに誤りがありました。
 18ページからの北部方面隊実動演習を「北鎮29」と表記しましたが、
正しくは「北演29」(ほくえん29)でした。謹んで訂正いたします。
 陸上自衛隊関係各位および読者の皆様にお詫びいたします。

2017年11月14日火曜日

【板門店で北朝鮮兵士が亡命】

写真・USMC
昨日(2017年11月13日)、板門店で北朝鮮軍の男性兵士1名が亡命を図り韓国に保護されたという。
 エンタメ作品などでは、その人物は政府(この場合は北朝鮮)内部上層部からの「クーリエ」で云々…という展開になることが多いが、地味で平凡な展開に終始するのが現実というものだ。
 でも、エンタメのような超展開してしまうのが朝鮮半島だからなぁ……。

2017年11月13日月曜日

【韓国は「味方」なのか「敵」なのか?】

 トランプ訪韓に際して、韓国政府は晩餐会の場に「元慰安婦」と称する婆さんを招待し、竹島近海で獲れたエビを「独島エビ」と称してメニューに載せるという暴挙に出た。

 今回のトランプ大統領のアジア歴訪の意義が、日・米・韓で結束して中国に当たり、北朝鮮制裁を実効ならしめることにあったことは自明であった筈。それなのに、何故敢えて日・韓に楔を打ち込むパフォーマンスを(しかも先年の合意を破ってまで)するのだろうか? いったい韓国人とは何者なのだろうか?

 韓国人は世界中に「慰安婦像」を建てまくり、世界中の地図業者に日本海を「東海」に改めさせるよう圧力を掛けまくっている。「歴史」と「妄想」の区別のつかない、稀に見る不思議な民族であると言える。
 
 戦後の日本人は、東西冷戦に勝利する目的の為、多少(?)の問題には目を瞑ってでも、日韓友好への努力を続けてきた。しかし、冷戦が終結して新たな国際的枠組みに直面して20年も経つ今、そろそろ目を覚まし、現実を見据えるべきであろう。
 
 日・米・韓その他の有志連合で万全の対北防衛態勢を敷いたとしても、一旦有事に臨んで、関ヶ原の西軍と同じ憂き目に会う可能性が極めて大きいことには注意しておかねばなるまい。

2017年11月7日火曜日

【後進国に転落しつつある日本 その2】

 むかし読んだアネクドートにこういうのがあった。世界で一番幸福な男というのは、アメリカ人の収入を貰い、イギリス人の家に住み、中国人のシェフを雇って、日本人の女性を妻とした男である。
 その反対に世界で一番不幸な男というのは、中国人の収入を貰い、日本人の家に住み、イギリス人のシェフを雇って、アメリカ人の女性を妻とした男であるというものであった。

 1970~80年代にはニヤリとできたこの小噺も、今となってはまったく意味をなさなくなったのでなかろうか、と心配せざるを得ない。しかし、本当に心配なのは、この小噺を聞いてもそれほど違和感を覚えない人が、日本政財界及び官界の中枢にまだまだのさばっているのではないかということだ。
 
 発展途上国・BRICSは勿論、日本以外の先進国が発展し続けている中、日本だけが95年頃からほとんどGDPが増えていないということは、先日書いた通り。世界に占める日本のGDPの割合は縮小の一途をたどっている。
 
 日本の中枢にある者が、現在の日本の置かれた危機的状況にこのまま気付かないなら、このアネクドートの後半部分は次のようになるだろう。世界で一番不幸な男は、日本人の収入を貰い、日本人の家に住み、日本人のシェフを雇って、日本人の女性を妻とした男であると。

2017年11月6日月曜日

【後進国に転落しつつある日本】

 アメリカ人やカナダ人の友人たちが、だいたい1年に1回は日本旅行をして我が家にも滞在しているのだが、この10年くらい気になっていたことがある。
 それは、その外国の友人たちの暮らしぶりが見る見る裕福になっているということだ。はじめは彼ら(彼女ら)がビジネスで成功したか出世したかと思っていたが、そうではないらしい。ただ単に、彼ら(彼女ら)の収入が何倍にも跳ね上がっているらしいのだ。

 怪しいと思って調べてみると、実に呆気ないことであった。日本のGDPは高度経済成長期に何倍にもなったが、その後の80年から95年の15年間でも約二倍にまで成長している。
 しかし、その後の95年から現在までの約20年間はまったく成長していない。だが、日本以外の先進国はこの間にも3~4倍に成長しており、中国等BRICSに至っては数十倍に成長しているのである。

 要するに、この20年間、単に日本だけが経済成長から取り残されているのであった。GDPは国内総生産だが、生産と支出と所得が同じであるのは今更言うまでもない。
 即ち、この20年間、日本人の所得だけが横這いで、諸外国の所得が何倍増もしているのだから、彼らが数倍~数十倍も裕福になっているのも当然な話なのである。

 このまま行けば、日本はまともな防衛費すら捻出できない後進国に転落し、中国の属領となるのを甘んじて受け入れざるを得なくなるだろう。